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ルソー

社会契約論の哲学者。

ルソー

ルソー。

画像はパブリックドメイン。

社会契約説

ルソーは、人間の最初の社会である「自然状態」を考え、社会をそれぞれの契約だとする「社会契約説」を唱えた。

ホッブズやロックの言う、荒くれた自然状態とは異なり、ルソーの自然状態は自由・平等・平和な理想状態である。自然状態は自己愛だけではなくあわれみの情も備えているが、人間が集まり社会が出来ると不自由や不平等が発生する。ルソーは社会が堕落した原因を私有財産に求めた。そして、それぞれが社会契約説を結び、すべての人が自己を一般意志に服従させ、政府や統治者は一般意志に服従するべきであり、法も一般意志の表現にならなければならない。そして、堕落した社会は自然状態に帰れ、と文明社会を痛烈に批判した。(フランス啓蒙思想 - 独学ノートを参考に執筆しました。)

後日注記:私的所有権の廃止はよくある考え方であり、ルソーだけではなくヘーゲルも同じことを言っている。ルソーはピストルによる強盗の例を示したが、「社会的にそれが普通だとみんなが思っていても、それは絶対的必然ではない」ということを言いたいのではないかと僕は思う。みんなが普通に受け入れていることは、本当にそれが正しくて、絶対にしなければならないわけではない。みんなの社会的合意によって変えられるのである。

フランス啓蒙思想

ロックに始まる穏健なイギリス啓蒙思想は、フランスへと受け継がれると急進化した。

ヴォルテール、モンテスキュー、ルソー、さらに百科全書の編集者であるディドロやダランベールなどは、フランス啓蒙思想と呼ばれ、フランス革命への影響で知られている。

ヴォルテールは、イギリスの啓蒙主義をフランスに導入した人物。イギリスの市民革命は議会制民主主義や立憲君主制を成し遂げた。また、モンテスキューは三権分立を提唱した人物である。

フランス啓蒙思想 - 独学ノートを参考に執筆しました。)

カントへの影響

ルソーの社会論は、カントに影響を与えたことで知られている。カントは日課である午後の散歩を忘れるほどにルソーの「エミール」を読みふけった。カントはルソーを読んで、研究者としての知識欲のみが人類の名誉となりえると錯覚し、無知な賤民を軽蔑していたが、ルソーがそれを正してくれたと言う。カントは、「この考えが他のすべての人々に価値を認めて、人間性の勝利を樹立しうるということを、わたしが信じないようなことがあろうものなら、わたしは自分を平凡な労働者よりも無用な者と見なすであろう」(『美と崇高の感情に関する観察』への『覚書』)と述べている。(「カント入門(石川文康)」を参考に執筆・引用しました。)

哲学者カントは、ルソーから生まれたのである。

ルソーの言葉

読まずに死ねない哲学名著50冊」より引用。

“確かに、ピストルを持っている人間に脅されたときには、自分の財布を差し出さないと殺されてしまうかもしれない。だがこのことは、ピストルを持っている人間には財布を差し出さねばならない正当な義務があることを意味するわけではない”―ルソー

“各人は社会契約を結び、自由を相互に承認することで、みずからを『一般意志』の指導のもとに置き、『共和国』を作り上げるのだ”―ルソー

“ただ力だけが彼を支えていたのだから、ただ力だけが彼を倒させる。万事はこのように自然の秩序に従って行なわれる。”―ルソー

著作

「人間不平等起源論」、「社会契約論」、など。